よく分かる低血圧

低血圧な子供

低血圧は大人だけがなるわけではなく、子供にも意外に多く見られます。


低血圧の子供の10人〜20人に1人が「起立性調節障害」であるとされ、自律神経機能の失調によって、さまざまな症状が現れてくると考えられています。


低血圧と起立性調節障害は、症状がほとんど同じですが、思春期前後の子供に多く見られるため、小児疾患とされています。


小・中学生の子供が、立ち眩み・頭痛・目覚めの悪さ・腹痛・倦怠感などの不調を訴え、繰り返し医師の診察を受けに行き、血液検査や診察では異常が見つからない場合の多くが、「起立性調節障害」と診断されます。

起立性調節障害の傾向

年齢としては、小学校の高学年から高校生までに多く現れ、性別では、男子よりも女子に多く見られる症状で、急激な成長に対して自律神経機能の働きが、バランスを失うために起こると考えられています。


また、心理的な理由としては、過剰適応な性格で、他人に気遣いをしてストレスをためやすい傾向が見られます。


起立時には、血圧の低下が酷く現れ脳貧血を起こす場合と、血圧には異常のない場合があります。


大人になると治る人が多いことから、思春期の発達過程における生理的反応で、病的なものではないと考えられています。

起立性調節障害の種類

起立性調節障害は、起立直後に活性化する交感神経が反応せず、循環する血液の量が少ないことも互いに作用し合って、血圧が低下したままになった状態で、心臓は血圧を保とうとするために心拍数を増やし、起立中に頻脈を起こします。


起立性調節障害には、大きく4つに種類に分けることができます。

起立直後性低血圧

起立直後に、一過性の強い血圧の低下があるため、強い立ち眩み・倦怠感があり、血圧の回復に25秒以上の時間がかかる場合には、起立直後性低血圧と言えます。


軽症型と重症型があり、起立時の血圧の低下が強く、最高血圧が15%以上低下したままの場合には、重症型と判断されます。

体位性頻脈症候群

頻脈・ふらつき・倦怠感・頭痛などの症状があり、起立時の心拍数が115以上か、起立中の平均心拍の増加が35以上で、起立時に血圧の低下はない場合に判断されます。


起立中の下半身へ血液が溜まったことに対し、交感神経が過剰な興奮や、アドレナリンの過剰分泌によって起こると考えられています。

神経調節性失神

起立中に突然、過剰な頻脈を起こし心臓が空打ち状態になるため、心室壁にある機械的受容器が刺激されることにより、血圧が低下し脳貧血の状態になります。


発作時には徐脈や、酷い場合では失神による外傷や事故などの危険性、心停止を起こし突然死の可能性もあります。


起立直後性低血圧・体位性頻脈症候群の場合でも、この症状を起こすことがあります。

遷延性起立低血圧

起立直後の血圧は正常なのですが、起立した後、数分以後に徐々に血圧が下がり、最高血圧が20mmHg以上の低下し、静脈系の収縮不全と考えられ、最低血圧は上昇するために、脈圧の狭小を引き起こします。

診断基準

心臓病や貧血などの異常が見られず、大症状と小症状とに区別された症状の数が、大症状が3つ以上の場合大症状が2つ・小症状が1つ以上の場合大症状が1つ・小症状が3つ以上の場合で、症状の現れる頻度についても考慮し、起立性調節障害であると診断されます。

大症状

立ち眩み、または眩暈を起こしやすい。
立っていると気持ちが悪くなり、酷くなると倒れる。
お風呂に入っている時、
または嫌なものを見聞きすると気持ちが悪くなる。
少し動くと動悸、または息切れがする。
朝起きられず、午前中は調子が悪い。

小症状

顔色が悪い。
食欲がない。
腹痛をときどき訴える。
疲れやすい、または倦怠。
頭痛を訴える。
乗り物酔いしやすい。
起立試験で脈圧の狭小化が16mmHg以上ある。
起立試験で収縮時の血圧の低下が
安静時よりも21mmHg以上ある。
起立試験で脈拍数の増加が1分間に21以上ある。
起立試験で立位での心電図でT波に0.2mV以上の減高、
とその他の変化がある。
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